最近では、赤ちゃんを出産しても子供の血液型がすぐに分からないのをご存知でしょうか?
昔は出産をするとすぐに新生児の血液検査を行い、「血液型は~型です」みたいな結果の紙が母子手帳に貼られるのが主流でした。
ですが、昨今出生後の血液型検査を行わない産院が増えており、「自分の血液型が分からない」という子供も多くいます。(ちなみに、私も子供が2人いますがどちらも血液型は分かりません。)
そこで今回は、
- 赤ちゃんの血液型を調べないのはなぜか?
- いつから血液型は分かるのか、検査費用のことなど
- 万が一、事故や手術の時に血液型が不明でも大丈夫なのか?
など、赤ちゃんの血液型に関する疑問を調べてみました!
赤ちゃんの出生時に血液型が分からないのはなぜ?血液型検査の方法とは?
新生児の血液型を調べなくなった理由は、ずばり「正確性に欠けるから」です。
つまり、出生時に血液型を調べても、結果が変わる可能性があるからです。
「血液型が変わる」とは一体どういうことなのか?それは、血液型検査の方法に理由があります。
ヒトの血液型は、ABO式血液型によってA、B、O、ABの4種類に分けられます。
ABO式血液型の検査方法は、血中の抗原や抗体を調べていく方法です。
詳しく説明すると、赤血球上の抗原を確認するオモテ試験と、血清中の抗体の有無を調べるウラ試験を行い、2つの試験結果が一致して初めて血液型が判定されます。
新生児では、オモテ試験を行うための赤血球の反応の強さが、大人の1/3程度しかなく、2~4歳ぐらいで成人並みになると言われています。
一方、ウラ試験を行うための血清中の抗体は、新生児からは検出がされず、母体由来の抗体が反応してしまい、ウラ試験が正しく行えません。
つまり、赤ちゃんが血液型検査を行っても、正しい試験結果が出ないため、新生児の時の検査と大きくなってからの検査では、血液型が変わる可能性があるということです。
赤ちゃんの血液型はいつ分かる?検査費用はいくら?
さて、上記の血液型検査方法からも分かるように、赤ちゃんの血液型検査は信頼性に乏しいですが、では一体いつから血液型はわかるのでしょうか?
また、1歳未満の乳幼児のABO血液型検査において、オモテ試験とウラ試験の一致率は約50%といわれています。
そこで、新生児や1歳未満の乳幼児におけるABO血液型の検査結果は、オモテ試験の結果のみの条件付き報告がなされます。
これらの事由により、1歳未満では信頼性に乏しいため、正確な血液型の判定は生後1年以上経過してから、できれば4歳以上で実施する必要があります。
- 1歳未満の乳幼児のABO血液型検査では、オモテ試験とウラ試験の一致率は約50%程度
- ウラ試験で必要な血清中の抗体は、生後3~6ヵ月からで生後1年でほぼ全ての児に抗体が産生される
- 赤血球側の反応の強さは2~4歳で大人並みになる
以上のことを鑑みると、正確な血液型検査は生後1年以上~できれば4歳以上で行うのが望ましいと言えるでしょう。
血液型検査費用は、治療目的で行われるものではないため、自己負担になります。
病院によって検査費用も変わってきますが、およそ1,000~5,000円程度の自己負担となるようです。
(ちなみに、内科もしくは小児科にて行えます。)
ただ、本当に血液型を知るためだけに、採血などの検査が必要なのか?
例えば、両親の血液型の組み合わせから、もしかしたら珍しい血液型の可能性があるかもしれないので、予め知っておきたいなど。
このあたりは、家族できちんと話し合う必要があるかと思います。
赤ちゃんの血液型が分からない!事故や手術の時はどうする?
子供の血液型が不明なことで一番心配なのが、「事故や手術の時は大丈夫なのか?」ということだと思います。
特に事故に起きた時、万が一輸血などが必要となった際は、一分一秒を争うと思いますし、血液型が不明なことで処置が手遅れになったらどうしよう…と思われるかもしれません。
ですが、結論から言うと、血液型が不明でも事故や手術の時に大ごとになることはありません。
血液型が分からなかったことで、手遅れになることもまずないそうです。
と言うのも、例え救急車や病院などで血液型を聞かれ、答えたとしても、その場できちんと検査が行われるからです。
ちなみに、我が家の長男は2歳の時に全身麻酔を使った手術をしたことがあるのですが、血液型は聞かれませんでした。
きちんと術前検査があり、その時に採血などを行っていたため、病院側はそこで把握していたのだと思います。
なので、もし子供の血液型が分からなかったとしても、事故や手術の際に心配することはございません!
困るとしたら、プロフィールだとかを記入する時に、分からないぐらいでしょうか…(笑)
まとめ
私も自分の母子手帳を見せてもらった時に、血液検査の紙が貼ってあったので、昔は生まれてすぐの赤ちゃんの時に血液型は分かるものだと思われていたと思います。
しかし、最近では医療技術なども発達し、赤ちゃんの時に行う血液検査では明瞭な結果が得られないということが分かり、積極的に血液型を判明させるということは行われなくなってきています。
昔と今の環境が違うように、常識も時代とともに変わっていきます。
もし子供から血液型を聞かれた際には、親の血液型を教えるとともに、何型の可能性があるのか一緒に調べてみるのも楽しそうですよね!
両親の血液型から、何型の子供が生まれるのか、大人も意外と正確に答えられないと思いますので、いい勉強になりそうですね~。