暑くなってくると、つるんとした食感と見た目が涼やかなわらび餅が美味しい季節になってきますよね~。
以前住んでいた街では、時々わらび餅の移動販売車が来たりしていて、「♪石焼き芋~」ならぬ「♪わらび餅~冷たくて美味しいよ」なんて歌いながら練り歩いていました。(買ったことはなかったですが。笑)
さて突然ですが、わらび餅の「わらび」って何が語源かご存知ですか?
そう、山菜として有名な蕨(ワラビ)です!
しかし、蕨ってこんな感じの見た目をしていて、
くるんと丸くなっているので、わらび餅とは見た目が似ても似つかないですし、何より味も山菜とわらび餅では全然違いますよね…(笑)
では一体、わらび餅と山菜のわらびはどういう関係があるのでしょう?
また、本物と偽物のわらび餅の違いもご説明いたします!
なぜ見た目も味も違うのにわらび餅?
実は、わらび餅は山菜の蕨から取れた「わらび粉」を原料にして作られたものを指します。
わらび粉からできたお菓子なので、わらび餅と言うわけですね!
わらび粉は、山菜の蕨からでんぷんを取り出し乾燥させたもので、非常に根気と労力にいる作業により、江戸時代にはわらび粉はすでに高級食材でした。
わらび粉は葛粉よりも弾力があり、加熱すると非常に黒に近い色になるのが特長です。
私は山菜そばが好きでよく食べるのですが、あのワラビからでんぷんが取れるというのは、何だか意外でした!
でんぷんが取れる食材と言えば、じゃがいも・れんこん・山芋・米など、もちっとした感じの食べ物が多い印象だからです。
でも、あのワラビからツルンとした美味しいわらび餅が作られるなんて、不思議ですよね~。
本物のわらび餅とは?透明なわらび餅は偽物?
さて、よくお店などでは「本わらび餅」など、いかにも本物のわらび餅ということを謳っているような商品名を見かけますが、本物のわらび餅とは一体何なのでしょうか?偽物のわらび餅とは…?
大ざっぱに言いますと、
- 本物のわらび餅=わらび粉(わらび由来のでんぷん)から作られたわらび餅
- 偽物のわらび餅=芋などのでんぷんから作られたわらび餅
だと分けられます。
わらび由来のでんぷんから作られたわらび餅は、色が黒または琥珀色の餅になるので、スーパーなどのお店でよく見かける「透明なわらび餅」は、ほぼ芋由来のでんぷんから作られたわらび餅=わらび粉から作られたものではない(偽物)と考えて良さそうです。
そもそも、「本わらび粉」自体の定義があいまいで、わらびの根100%由来であるかどうか、はっきりしていないのが原因のようです。
そのため、材料店によっても本わらび粉の解釈はそれぞれであり、わらび以外のでんぷんをブレンドしてあっても、「本わらび粉」という名称で販売するところもあるようです。
しかも、わらび以外のでんぷんをブレンドしてあっても、その行為自体は違反でも何でもないようで、例えわらび粉がほとんど(もしくは全く)入っていなくても、わらび粉100%として売ることが可能なので、わらび餅を食べる側としては、わらび由来のでんぷんから作られているのかどうかなど、細かいことを気にしないのも無理はなさそうですね…。
まとめ
今回、「わらび餅って蕨と全然違うのに、なんでわらび餅なんだろう~。」というふとした疑問から調べてみたら、「お店で売られている透明なわらび餅は本物のわらび餅ではない!」という驚愕の事実を知って、ちょっとショックでした~(泣)
ですが、だったら逆に本物のわらび餅を食べに行こう!と思い、今度和菓子屋さんを色々と探してみようかと思います!
お菓子作りが得意な方だったら、ちょっと奮発してわらび粉を買ってみて、お家でわらび餅づくりをしてみても良いかもしれませんね~。