赤ちゃんの離乳食は塩分を控えめに、調味料は使わなくても大丈夫、というのは子育てをしたことがある方には一般的によく知られていることだと思います。
ただ、夏場には汗をたくさんかく乳幼児にとっては、塩分補給も大切なこと。
また調理をしている際に、誤って赤ちゃんが塩を口にしてしまうなどの、誤飲事故も考えられます。
そこで、今回は赤ちゃんや乳幼児の塩分摂取量の目安、またもし塩を誤飲してしまった場合の対処法などを調べてみました。
赤ちゃんに危険な食塩中毒!症状や原因は?
大人でも味付けが濃かったり、ちょっとの塩の塊でも「塩辛くて食べられない!」と感じるほどですので、消化器官などが未発達な赤ちゃんにとっては大人以上に塩が危険なものであるかどうかは常識的に考えればすぐ分かることです。
赤ちゃんが食塩中毒にかかってしまう原因としては、
- 赤ちゃんは体内の過剰な塩分を排除する腎臓の機能が成熟していないこと
- 塩分の過剰摂取により喉が乾いていても、自力で動けない赤ちゃんは水が飲めない
という2点が挙げられます。
一度に多量の塩分を摂取すると、体内のナトリウム濃度が上昇し、高ナトリウム血症になります。
食塩中毒の症状としては、嘔吐・下痢・生育不良・けいれん・発作・硬直・不整脈・昏睡などです。
赤ちゃんに危険な食塩中毒の量は?
では、赤ちゃんや乳幼児にとって危険な塩の量はどのぐらいでしょうか?
塩の過剰摂取による致死量は、体重1キロあたり0.5~5gとされています。
つまり、赤ちゃんや乳幼児の場合は小さじ一杯程度(5g)でも死に至る危険性があるということです。
例えば、体重10キロの赤ちゃんの場合は、約5g~50gが危険な量ということになります。
また、食塩をそのまま摂取するより、水に溶かした食塩水にするともっと危険で、水に溶かすことにより一気に小腸に吸収されるためより危険性が高くなります。
ちなみに、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準によると、年齢別の1日あたり食塩相当量は以下の通りです。
食塩相当量 | |
---|---|
生後0~5ヶ月 | 0.3g |
生後6~11ヶ月 | 1.5g |
1~2歳 | 3~3.5g未満 |
3~5歳 | 4~4.5g未満 |
ただ、こちらもあくまでも1日あたりのということなので、一気に摂取することは危険だと考えられます。
塩を舐めてしまった…誤飲など塩分を摂り過ぎた場合の対処法は?
いくら気をつけていても、子育ては何が起こるか分からないもの…。
何かの拍子に赤ちゃんや乳幼児が塩を食べてしまったりという可能性もあります。
万が一、塩を誤飲してしまった場合でも、まずは慌てず対処してくださいね!
- 少量の場合…水か牛乳を飲ませて様子を見る
- 体重10キロあたり5gを超える量なら、水か牛乳を飲ませて、吐かせて病院へ
体重10キロあたり5gと言いますと相当な量になりますので、この量の食塩を一気に食べるということはあまり考えにくいですが、ただ日常生活の中では絶対はありません。
塩分を過剰摂取すると、細胞にダメージを与え、腎臓や脳などに障害が出てきます。
けいれんや嘔吐、意識障害などの症状が表れるため、誤飲や中毒症状が疑われる場合は、すぐに医療機関で受診するようにされてくださいね。
まとめ
塩に限らず、はちみつなども赤ちゃんにとっては危険な食べ物であり、2017年には日本で初めての乳児ボツリヌス症により命を落とす事故もありました。
「昔はこうしていた」という子育ての常識なども、時代の変化とともに変わっていきますので、塩やはちみつに関しても子育て中の人だけでなく、ひとりひとりがきちんとした知識持つことが大切ではないかと考えます。
こちらの記事が少しでもお役に立てば幸いです。