コーヒーやエナジードリンクなどによく含まれるカフェインですが、元気を出したい時や眠気覚まし代わりなどによく飲まれる方は多いかと思います。
その一方で、カフェインの摂り過ぎには注意と言われていますよね。
そこで、カフェイン中毒の症状や安全な摂取量、またカフェインの含有量などについて調べてみました!
カフェイン中毒とは?どんな症状を引き起こす?
カフェイン中毒とは、その名の通りカフェインに含まれる神経毒性により中毒症状を引き起こした状態です。
高濃度カフェイン飲料やカフェイン錠剤などを過剰摂取したことによる深刻な急性中毒を引き起こす場合もありますが、コーヒー・コーラ・栄養ドリンク・紅茶・緑茶などカフェインを含む食品を常に摂取し続けることによる場合が多いです。
ちなみに、似たようなものにカフェイン依存がありますが、こちらはカフェインの使用がやめられない状態であり、症状が引き起こされるものではないようです。
カフェイン中毒による症状
軽い中毒段階では、
顔面紅潮/悪心/頻尿/頻脈
などの症状が表れます。
カフェイン中毒の診断基準はA・B・Cと分類されますが、以上の症状を5つ以上満たす場合、診断基準Bに当てはまります。
しかし、さらに著しい症状が見られる重症な場合には、診断基準Cとなり、カフェイン中毒と診断されます。
症状 | |
---|---|
精神症状 | 落ち着きがなくなる、緊張感、感覚過敏、多弁、不安、焦燥感、気分高揚、一時的な不眠症、精神錯乱、妄想、幻覚、幻聴、パニック発作、取り乱す、衝動性(ひどいと自殺行為に及ぶ場合もある) ※神経質な人やうつ病、不安障害、パニック障害などを患っている人は重症化しやすく、症状の悪化をきたしやすい。 |
身体症状 | 胃痛、胸痛、吐気、嘔吐、不整脈、動悸、呼吸が速くなる、頻尿、脚がつる、頭痛、瞳孔拡大 |
よく「コーヒーをちょっと飲んだだけでも眠れなくなる」など、少量でもカフェイン中毒に似た症状が出る方(カフェイン感受性が高い方)がいらっしゃるように、体質的な問題だったり、個人差がありますので、「ちょっとおかしいな」と感じたら、自己判断せず診察を受けるのが大切だと思います。
カフェイン中毒になった場合の治療
カフェインには、解毒剤や拮抗薬はないため、血中濃度を下げるための対処療法を行いながら時間の経過とともに回復するのを待ちます。
重症の場合には、集中治療室などにて全身管理を行いながら、各致死的症状に対応していきます。
いずれにしても、カフェイン中毒になる場面は、精神的にも肉体的にも過労状態であることが多く、栄養を取って心身ともに休ませることが必要とされています。
カフェイン中毒になる量は?安全な摂取量
近年では、24時間営業のお店など長時間労働の影響で、カフェインを含んだ眠気覚まし飲料やエナジードリンクなどを摂取する方も多いと思います。
しかし、日本中毒学会の調べによると、2011年度からの5年間でカフェイン中毒による搬送人数は101人、そのうち3人が死亡している実態が明らかになりました。
カフェイン中毒による死亡例を受け、製品によってはカフェインの過剰摂取を控えるよう、注意喚起を促す表示もされるようになりましたが、そもそも一体どのぐらいカフェインを摂取すると危険なのか?逆に言えば、自分の安全なカフェイン摂取量を知りたいですよね。
表はあくまでも目安ですので、一概にこの通りとは言えません。
ただ、この程度であれば心配ないということですので、ご自身の様子を見ながら、表を参考にしてみてくださいね。
カフェイン中毒、致死量の目安
カフェインの致死量には様々な説がありますが、専門家によると短時間で摂取した場合の目安は3グラムと言われています。
コーヒーの場合ですと、濃度により多少変わりますが、目安としては25杯分に相当します。
また、カフェイン3グラムと言うと、薬局などで売られている眠気防止薬によっては少しの量でも致死量に達してしまう恐れがありますので、使用書をよく読んで用法用量をきちんと守るようにされてくださいね。
カフェイン含有量、多く含む飲み物や製品は?
さて、安全なカフェインの摂取量の目安が分かったところで、飲み物や製品の含有量を調べてみました。
カフェインでお馴染みのコーヒーやコーラ、意外にもカフェイン含有量が多い飲み物なんかもありましたよ。
カフェインを含む 主な製品や飲料 | 1錠または1本当たりの カフェイン量 (ミリグラム) |
カフェイン 1グラム相当量 |
|
---|---|---|---|
眠気防止薬 (第3類医薬品) |
トメルミン | 167 | 6錠 |
エスタロンモカ錠 | 100 | 10錠 | |
眠気覚ましドリンク(清涼飲料水) | 強強打破 (50ミリリットル) |
150 | 6.7本 |
メガシャキ (100ミリリットル) |
100 | 10本 | |
エナジードリンク | モンスターエナジー (355ミリリットル) |
142 | 7本 |
レッドブル (185ミリリットル) |
80 | 12.5本 | |
嗜好飲料(200ミリリットル当たり) | コーヒー | 120 | 1.5リットル |
煎茶 | 40 | 5.0リットル | |
紅茶 | 60 | 3.2リットル | |
コーラ | 20~38 | 5.2リットル |
種類にもよるかと思いますが、コーラよりも紅茶の方がカフェイン含有量が多いのは意外でした!
また、煎茶以外でも玉露なんかは100ミリリットル/約160ミリグラムと、かなりの含有量があるので、注意が必要かもしれません。(とは言え、玉露を一気に何杯も飲む機会はそうそう無いかと思いますが…。)
上記したように、カフェイン中毒による致死量は3グラムと言われていますので、それぞれ単純に3倍ずつしていくとカフェイン含有量3グラムに相当します。
嗜好飲料によっては、10数リットル飲む計算になりますので、常識的に考えても普通の飲み方をしていれば、カフェイン中毒にまでは至らないかなと思います。
まとめ
私も社会人の頃、研修などで絶対に寝られない!という時には知人から教えてもらったエスタロンモカ錠を服用していました。
本当に眠気が覚めるので「どうしても!」という時には重宝していましたが、あまりの効き目にカフェイン中毒とか大丈夫かな…と不安を覚えたこともありました。
カフェインを多く含む飲み物はたくさんありますが、量にさえ注意すれば必要以上にカフェイン中毒を恐れることはないと思いますので、カフェインと上手に付き合ってくださいね!